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過払い金の計算方法

過払い金

2023.12.12

利息制限法を超えた利息を支払っていた場合に、過払い金が発生することはわかったけども、実際に過払い金はどうやって計算されるのか!についてお答えします。

1 利息制限法の利率について

 
利息制限法第1条では利息の上限利率を決めています。
上限利率はその借入元本によって設定されており、

  元本が10万円未満         年率20%
  元本が10万円以上100万円未満  年率18%
  元本が100万円以上        年率15%

と決められています。
この利率を超えた場合、超えた部分について無効になります。

参考:日本貸金業協会「上限金利について」

2 約定利率について(契約上の利率)

過払い金が発生するためには、実際に利息制限法の利率を超える利息を支払っていたことが必要となります。
平成22年以前は、多くの金融業者がキャッシングの利率を
  29.2%
  27.375%
  25.5%
と、設定していたため、利息制限法の利率を超えていたということになります。
実際の取引は、この約定利率により計算された利息を支払っていたということになります。

【豆知識】なぜ、約定利率は29%でも30%でもなく29.2%なのか?

なぜ、以前の金融業者の約定利率は29%でも30%でもなく29.2%と半端な数字だったのか?それは、利息計算を日割りで計算するためでした。
たとえば、年率29.2%は日割の利率だと0.08%(日歩8銭)となりますが、この日歩8銭を1年間の利息に換算すると、「0.08%×365日=29,2%」となるため年率29.2%が約定利率として設定されていたようです。ほかに、日歩7.5銭は年率27.375%、日歩7銭は年率25.55%となります。このため多くの金融業者がこのような約定利率を設定していたのでした。

3 計算をしてみる

1 約定利率による場合

たとえば、50万円を年率29.2%で借りて30日後に15,000円を支払った場合、30日後の利息は

500,000円 × 29.2% ÷ 365日 × 30日 = 12,000円 

となります。


15,000円の返済額から12,000円の利息を引いた金額

15,000円 - 12,000円 = 3,000円 

が元金に充当されるので、返済後の残高は、

500,000円 - 3,000円 = 497,000円(*1) 

となります。

2 利息制限法の利率で引き直すと

では、50万円を年率18%で借りて30日後に15,000円を支払った場合、30日後の利息制限法の利率による利息は

500,000円 × 18% ÷ 365日 × 30日 = 7,397円(1円未満切り捨て)

となります。


15,000円の返済額から7,397円の利息を引いた金額

15,000円 - 7,397円 = 7,603円 

が元金に充当されるので、返済後の残高は、

500,000円 - 7,603円 = 492,397円(*2) 

となります。

3 差額が過払い金となる

そうすると、借入れから30日後の1回目の支払い時には、29.2%の利息で計算した場合の残高497,000円(*1)より、18%の利息で計算した残高492,397円(*2)のほうが4,603円も減っていることになります。

利息制限法の利率への引き直しはこの計算を繰り返していくことになりますから、50万円の借入金に対し、年率29.2%、30日ごとに15,000円ずつ支払っていくと 68回目の支払で完済することになり、その間の約定利息金の合計額は517,869円、総返済額は1,017,869円となります。

しかし、これを利息制限法の利率18%で計算すると、47回目で完済していることになり、その後の21回分の返済は支払義務がないにも関わらずに返済した金額、すなわち過払い金ということになります。

  ※借入金50万円、返済額15,000円、返済は30日毎として返済のみつづけた取引の場合
           返済回数    利息の総額     総支払額
   29.2%   68回   517,869円  1,017,869円
   18%     47回   194,050円    694.050円
  過払い金はこの差額の323,819円です。(うるう年、過払い利息は考慮していません)

上記の例は、50万円を借りて、途中借入れをすることなく完済した場合の計算になります。

しかし、多くの金融業者のキャッシング取引は限度額内で繰り返し借入れをすることができるリボルビング払いの取引であり、返済のみの取引をする方は少なかったのではないでしょうか。

そうすると、いつまでたっても完済されることがなく、5年どころか10年、15年と取引が長くなり、過払い金も大きくなっていきます。

実際に過払い金請求を依頼された方の半分くらいの方は、「そんなにあるとは思わなかった!」と驚かれます。

4 計算は自分でもできるが、専門家に任せるほうが安心

利息制限法の利率への引き直し計算はExcelの計算シートで計算します。引き直し計算のソフトはインターネット上で検索するといくつか出てきますが、名古屋消費者信用問題研究会が無料公開している引き直し計算ソフトが便利です。自分で計算したい方はそれを活用していただければ計算は可能です。

しかし、引き直し計算は、ただ単に計算シートに入力すればいいというものでもありませんし、金融業者の計算書の記載内容は会社ごとに異なっており、複雑な計算書も見受けられます。

計算が違っていると、金融業者が交渉に応じてくれなかったり、実際の請求額より少額の請求をしてしまい損失を被る可能性があります。

過払い金請求権というあなたの権利を正しく知り行使するためには、専門家である司法書士や弁護士に相談することをお勧めします。

4 過払い金請求のご相談は司法書士法人エベレストにお任せください。

司法書士法人エベレストは名古屋市東区にある司法書士事務所です。
千種駅のすぐそばにあり、愛知、岐阜、三重とその近隣の方々より過払い金請求や債務整理のご相談を頂いております。
エベレストの司法書士は、過払い金請求や不当利得返還請求訴訟について15年以上の経験・実績があります。
過払い金請求は複雑に感じるかもしれませんが、私たちはあなたの権利を守るために全力を尽くします。不安や疑問があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
借金トラブルサポートルームを運営する司法書士法人エベレストでは、あなたの悩みに寄り添って解決までサポートいたします。
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