貸付停止による消滅時効の主張とは?過払い金請求の争点を解説
貸金業者が「取引途中で貸付停止措置がされているため、10年以上前の過払金については時効が成立している」と主張することがあります。この主張が認められると、過払金が大幅に減額される可能性があります。この記事では、貸付停止措置が過払金請求に与える影響と、その対応方法について詳しく解説します。
1.貸付停止とは?
リボルビング払いは、設定された限度額内であれば何度でも借り入れが可能な支払い方法ですが、特定の理由により貸金業者による貸付停止が行われることがあります。貸金業者が貸付停止をする主な理由は以下の通りです。
(1)勤務先を退職したことが判明した場合
(2)一定期間,または一定回数の延滞があった場合
(3)他社の借入れが多くなったことが判明した場合
(4)総量規制による貸付停止措置がされた場合
(5)和解や調停などにより返済のみとなった場合
(6)債務整理・破産・個人再生などの手続きを行った場合
(7)貸金業者が廃業した場合
(1)~(4)の場合、勤務先の届出や延滞の解消などの状況の改善が見られる場合は、貸付けが再開されることがあります。しかし、(5)~(7)のような和解や債務整理、貸金業者の廃業などでは、停止された貸付けが再開される可能性は低いとされています。
2.貸付停止の問題点とは。貸金業者の主張の根拠について
平成21年1月22日の最高裁判決では、過払金返還請求権の消滅時効の起算点は取引が終了した時点であると判示しています。
しかし、例外として「特段の事情」がある場合は取引が終了する前に時効が進行するとも述べています。
そのため貸金業者は、貸付停止措置は「特段の事情」にあたるとして、貸付停止をした時から消滅時効は進行するので,10年以上前に発生した過払金は時効によって消滅すると主張してくるのです。
3.なぜ「特段の事情」にあたると主張するのか
最高裁は、最高裁は、リボ払いのような貸付けと返済が繰り返される取引では、発生した過払金を、新たな貸付に充当されるとする解釈(これを「過払金充当合意」という)を認めています。この解釈により、過払金返還請求権の時効は、過払い金の発生の都度スタートするのではなく、取引が終了した時点でスタートすることになります。
しかし、最高裁が過払金充当合意について、「新たな借入金債務の発生が見込まれる取引」と表したことを逆手に取り、貸付停止措置をすることは、新たな借入金債務の発生が見込まれないということであるから「過払金充当合意」が成立せず、「特段の事情」にあたるといっているのです。
4.貸付停止の主張に対する裁判
貸付停止措置による時効の主張に対する反論は、以下を主軸に行います。
(1)一時的な貸付停止の場合、契約上将来の借入れの発生の見込みがあること
(2)貸付停止を借主が認識していなかったこと
貸金業者との取引では、貸付停止の原因が解消されることにより貸付停止も解除されることが多く、これは契約上将来の借入れの発生の見込みがあるといえます。そのため、貸金業者の、貸付停止措置による消滅時効の主張が認められない可能性は高いと言えます。
しかし、貸付停止の理由が破産や和解などの場合だと貸付が再開される可能性は少ないため、難しい判断がされることになります。
5.貸付停止の主張について
貸付停止措置による時効の論点は、一部の貸金業者によって数年前から主張されています。真偽は不明ですが、貸金業者曰く、事務所によっては全く争わずに受け入れているところもあるそうです。依頼する事務所は慎重に選ぶ必要があります。
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