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家賃滞納と借金がある人が今の賃貸に住み続けるための任意整理と支払い見直し

コラム

2025.11.27

家賃も借金も払えない…その不安、放置すると「住まい」を失います

「今月の家賃も払えない、借金の返済も迫っている…」
そんな不安で眠れない夜を過ごしていませんか?

家賃滞納と借金が重なると、最悪の場合は「強制退去」により、生活の基盤そのものを失うおそれがあります。いったん住まいを失ってしまうと、仕事や家族関係にも大きな影響が出て、生活再建は一気に難しくなります。

しかし、諦める必要はありません。
解決のポイントは、たったひとつ。

「家賃の支払いを最優先にし、それ以外の借金を法的に整理すること」

クレジットカード会社や消費者金融は、あなたを家から追い出すことはできません。
一方で、大家さん(または家賃保証会社)は、法的な手続を通じて賃貸借契約を解除し、強制退去まで進めることが可能です。

この記事では、債務整理を多く扱う司法書士の立場から、

強制退去までの「タイムリミット」
家賃を守るために、どの借金をどう整理すべきか
任意整理・自己破産などの手続きの違いと注意点

を、できるだけわかりやすく解説します。

読み終えた頃には、

「どの支払いを止めてよいか」
「今すぐ何を優先すべきか」

が明確になり、生活再建への道筋が見えるはずです。

なぜ「借金」より「家賃」を優先すべきなのか?

カードの返済より家賃を優先しなければならない理由

「カードローンの催促電話が怖いから、家賃を後回しにして借金を返済している」──
そんな状況に心当たりのある方も少なくありません。

ただ、住まいを守るという意味では、この優先順位は見直す必要があります。
家賃より借金の返済を優先してしまうと、結果的に「住む場所を失うリスク」を高めてしまうからです。

家賃滞納と借金が両方あるとき、
最優先すべきは「家賃の支払い」です。

消費者金融やカード会社への返済は、支払いが遅れると遅延損害金や催促は発生しますが、
それだけで直ちに住まいを失うわけではありません。

一方で、家賃の滞納が一定期間続くと「賃貸借契約の解除事由」とされ、
裁判所を通じて明け渡し(強制退去)まで進む可能性があります。

法律上のポイントは、「信頼関係の破壊」という考え方です。
家賃の支払い遅れが積み重なると、大家さんと借主との信頼関係が失われたと評価され、
契約解除が認められやすくなってしまいます。

催促の電話や督促状が怖いと、どうしてもカードの返済を優先したくなりますが、
今の生活の土台である住まいを守るという視点で、支払いの順番を組み立て直すことが大切です。

家賃滞納が続くとどうなるか|強制退去までの流れと3ヶ月滞納のリスク

実務上、「滞納3ヶ月前後」が、信頼関係の破壊が認められやすい目安とされることが多く、裁判所も契約解除(明け渡し)を認めやすいラインといわれます。もちろん、1〜2ヶ月の滞納でも、過去の支払状況ややりとり次第では解除が認められることもあり得ますが、イメージとしては次のような流れが一般的です。

滞納1ヶ月目
大家さんや管理会社から電話・メール・手紙等での督促が行われます。
「今月中に払ってくださいね」というレベルの催促が中心です。

滞納2〜3ヶ月目
「このまま未払いが続くと契約を解除します」という趣旨の書面通知が届くことがあります。
内容証明郵便で「〇日までに支払がなければ契約を解除する」旨が送られるケースも珍しくありません。

滞納3ヶ月以降〜
大家さんや管理会社は、賃貸借契約の解除や明け渡しを求めて裁判所での手続を検討する段階に入ります。実際に明け渡し訴訟が提起され、判決などで明け渡しが命じられると、最終的には強制執行(強制退去)に進むこともあります。

強制執行まで進むと、裁判所の執行官立会いのもとで、鍵の交換や荷物の搬出・保管が行われ、部屋は強制的に空にされます。
十分な準備ができていないと、引っ越し先も決まらないまま退去を迫られてしまうケースもあり、生活へのダメージは非常に大きくなります。

信用情報(ブラックリスト)よりも大きい「住まいを失うリスク」

「ブラックリストに載るのが怖い」「カードが使えなくなるのが困る」──。
そう感じるのは、とても自然なことです。ローンが組めなくなるかもしれない、と考えるだけでも不安になりますよね。

ただ、実務の現場で多くのご相談を伺っていると、

信用情報への登録そのものよりも、「住む場所を失ってしまうこと」の方が、生活への影響はずっと大きいという現実が見えてきます。

いわゆるブラックリスト(信用情報への事故登録)は、
一定の期間(おおむね5〜7年程度)が過ぎれば、いずれ登録が消えます。
その間は新しいカードやローンが作りにくくなる不便さはありますが、時間の経過とともに回復していくことがほとんどです。

一方で、家賃滞納がきっかけで住まいを失ってしまうと、

仕事に通うことが難しくなる、
家族と離れて暮らさざるを得なくなる、
郵便物や役所からの通知も受け取りにくくなる、

といった形で、生活の土台そのものが大きく揺らいでしまいます。
いったん生活基盤が崩れると、立て直すまでに長い時間がかかり、ご本人の心身のご負担も非常に重くなります。

クレジットカードやローンは、最悪「なくてもやりくりする」方法を考えることができますが、
住む場所そのものは、これからの生活を守るための最低限の基盤です。

だからこそ、

「ブラックリストを避けるために無理をして返済を続ける」よりも、
「家賃を最優先にし、借金は法的な手続で減らす」という発想に切り替えることが、
ご自身とご家族を守るうえで大切になります。

家を守るために選ぶべき「任意整理」という手段

家賃を優先したいのに払えないときの選択肢|返済負担を見直すという発想

「家賃を優先したいのはわかっている。でも、そもそも手元にそんな余裕がない…」──
そう感じて、どうにも身動きが取れなくなっている方は少なくありません。

収入を今すぐ増やすことは、多くの方にとって現実的にはなかなか難しいのが実情です。
その一方で、支出──とくに借金の返済については、法律の手続きを利用することで負担を軽くしたり、しばらくのあいだ支払いを止めてもらえたりする場合があります。

その代表的な方法のひとつが、「任意整理(にんいせいり)」と呼ばれる手続きです。
任意整理をすると、毎月いくら返すかや、何回に分けて返すかを見直すことができます。今の収入でもまず家賃をきちんと払えるように、借金の返済を無理のないペースに整えていくための手続きです。

自己破産・個人再生との違い|任意整理のいちばんの強み

「任意整理と、自己破産や個人再生はどう違うのか?」
という点は、実際のご相談でもよく聞かれるところです。

任意整理の大きな特徴のひとつは、

「どの借金を整理するかを選べる」

という点にあります。

自己破産や個人再生では、原則としてすべての債権者を手続に含め、
「誰かだけ特別扱いする」ということは基本的にできません。
そのため、滞納している家賃や、家賃保証会社に対する債務も手続きの対象に含まれるのが通常です。

もちろん、自己破産や個人再生をしたからといって、必ず今の住まいを出なければならない、というわけではありません。
ただ、家賃の滞納状況や保証会社との関係によっては、契約の見直しや退去を求められる可能性が高くなるケースもあります。

これに対して、任意整理の場合は、

手続きの対象とする債権者(カード会社・消費者金融など)を選ぶことができる。
大家さん(家賃)や、今後も生活のために必要と考えられる一部のクレジットなどを、あえて対象から外すことができる。

といった柔軟さがあります。

その結果、たとえば、

家賃(大家さん・管理会社)にはこれまでどおり支払いを続ける。
カードローンやキャッシング、リボ払いなど、利息負担の重い借金だけを任意整理の対象にする。

という組み立てがしやすくなります。
「住まいを守りながら、その他の借金の返済条件を見直す」という発想を取りやすいのが、任意整理の大きな強みです。

もっとも、どの手続きが本当に適しているかは、収入・資産・家族状況などによって変わります。
任意整理が万能というわけではありませんが、「家賃を守ることを優先したい」という方にとって、有力な選択肢の一つになり得る手続きです。

任意整理で毎月の返済額はどのくらい変わるのか

イメージをつかんでいただくために、少し数字の例で考えてみます。

手取り収入:20万円
家賃:6万円
借金返済:月8万円(カード・キャッシング等の合計)

この状態では、

家賃6万円+借金返済8万円=14万円となり、
残り6万円で食費・光熱費・交通費・日用品などすべてを賄わなければなりません。
現実にはかなり厳しく、家賃を滞納し始めてしまうのも不思議ではない状況です。

ここで司法書士に依頼して任意整理を行い、

・これから発生する利息をカットしてもらえないか交渉すること
・残った元金を3〜5年(36〜60回)程度の分割払いにできないか話し合うこと

などを目指します。

借金の総額や利率、各社の対応にもよりますが、
こうした合意ができれば、月8万円だった返済が、月3〜4万円台まで下がるケースもあります。

返済がその水準まで下がると、

これまで返済に充てていたお金の一部を、
滞納している家賃の支払いに回したり、
今後の家賃を安定して支払うための生活費として確保したり、

といった使い方がしやすくなります。

もちろん、実際にどこまで返済額を減らせるかは、
借金の金額や収入・家計の状況、債権者ごとの対応などによって変わります。
それでも、任意整理にはこのように、「毎月の返済額を無理のない金額に整えて、家賃を優先しやすくする」という効果が期待できます。

手続きの流れと注意点(メリット・デメリット)

ご相談から生活再建までの具体的なステップ

ここでは、当事務所にご相談いただいた場合をイメージして、一般的な流れを順番にご説明します。

① 初回相談(無料)

まずは、現在の状況を一緒に整理するところから始めます。

収入と毎月の支出の状況、
借金の内容(件数・金額・業者名・返済状況や延滞の有無)、
家賃滞納の有無や、何ヶ月分たまっているか、
ご家族の状況や、今後の働き方・生活の見通し、

といった点をうかがいながら、
本当に任意整理がよいのか、あるいは自己破産や個人再生を検討した方がよいかも含めて、方向性を考えていきます。

最初の段階では、「手続きありき」で話を進めるのではなく、
今の生活とこれからの見通しに合う方法を一緒に探していくイメージです。

② 受任と「受任通知」の発送

任意整理で進めることになった場合、
司法書士が受任したら、各債権者あてに「受任通知」という書面を送ります。

この受任通知が届くと、貸金業法のルールにより、
貸金業者からご本人への直接の督促や取立ては、原則としてできなくなります。
これにより、毎日のような電話や督促状がいったん止まるのが通常です。

また、多くのケースでは、和解の条件がまとまるまでの数ヶ月間、
返済についてもいったん支払いを待ってもらえることが少なくありません。

この「返済が止まっている期間」に、

たまってしまった家賃の支払いを優先する、
生活費の立て直しに充てる、

といった形で、住まいと生活の土台を整えていくことを目指します。

③ 債権調査と返済プランづくり

次に、各債権者から取り寄せた資料をもとに、借金の中身を確認していきます。

残っている元金の金額、
利率(何%で借りているか)、
これまでの取引履歴、

などを整理しながら、「毎月いくらなら無理なく払っていけるか」「何年くらいで返済していくか」を検討します。

同時に、

家賃の支払い状況、
今後の収入の見込み、
ご家族のサポート状況や支出の見直しの余地、

といった点もふまえて、
「家賃の支払いを続けながら生活を立て直す」という方針に沿って、無理のない返済計画を一緒に考えていきます。

④ 各社との和解交渉と、新しい返済のスタート

返済プランのたたき台ができたら、それをベースに各債権者と和解交渉を進めます。

将来利息をどこまでカットできるか、
何回払い(何年)にするか、
毎月の支払額をいくらにするか、

といった条件を、それぞれの会社と話し合って決めていきます。
和解がまとまった先から、新しい条件にしたがって返済を再開していく流れです。

うまく進めば、

家賃の滞納が少しずつ解消していく、
「来月の家賃が払えないかもしれない」という不安が和らいでくる、

という状態を目指すことができます。

もちろん、すべてが理想どおりに進むとは限りませんが、
一つひとつのステップを踏みながら、
「家賃を優先しつつ、無理のない返済ペースに整える」という方向で生活再建をサポートしていく、というのが全体のイメージです。

任意整理のメリット|督促が止まり、返済も一時ストップする

任意整理の大きなメリットは、次の2点です。

督促が止まり、精神的にラクになる
毎日のように鳴っていた電話や督促状が止まることで、
「夜眠れるようになった」「家族に隠しごとをしなくて済むようになった」
とおっしゃる方が多いです。

返済が一時ストップし、その間に生活を立て直せる
数ヶ月間、返済を止めつつ家賃滞納を解消できるため、
強制退去リスクをぐっと下げることができます。

デメリット・注意点|「ブラックリスト」と家賃保証会社の落とし穴

もちろん、任意整理にもデメリットがあります。

信用情報への登録(いわゆる「ブラックリスト」)
任意整理を行うと、信用情報機関に事故情報として登録され、
数年間は新規のローンやクレジットカードの審査が通りにくくなります。

ただし、前述のとおり、これは「住まいを失うこと」と比べれば、まだリカバーしやすいダメージとも言えます。

家賃保証会社への滞納がある場合の注意点

家賃を滞納すると、大家さんではなく、家賃保証会社がいったん立て替えて支払うことがあります。この場合、実際には家賃保証会社に対する債務が発生している状態になります。

とくに「オリコ」「エポス」などの信販系の家賃保証会社が関わっていて、同じグループのカードローンなどを任意整理する場合には注意が必要です。信販系の保証会社は信用情報機関の情報を参照できるため、任意整理などの情報が、将来の賃貸借契約の審査や更新の判断材料の一つになる可能性があります。

どこまで影響が出るかは保証会社や個別事情によって異なりますが、信販系の家賃保証会社が付いている場合には、どの債権を任意整理の対象にするかを決める段階で、あらかじめ専門家に相談しておくことをおすすめします。

家賃滞納と借金問題で悩んだときの整理とまとめ

この記事では、家賃滞納と借金返済でお悩みの方に向けて、
なぜ家賃を最優先すべきなのか、
強制退去までのおおまかな流れ、
住まいを守るための「任意整理」という選択肢、
実務の現場での具体的な進め方と注意点をお伝えしてきました。

ポイントをもう一度、整理します。

家賃が最優先になる理由
家賃の滞納が3ヶ月前後に達すると、賃貸借契約の解除や強制退去のリスクが高まります。
クレジットカードやカードローンよりも、まずは今の住まいを維持するための家賃の支払いを優先することが、生活を立て直す土台になります。

任意整理が有効な場面が多い
任意整理では、将来利息のカットや3〜5年程度の分割払いを目指して交渉することで、毎月の返済額を今より抑えられる可能性があります。
減らせた分を家賃や生活費に回すことで、「住まいを守りながら借金を返していく」という現実的なプランを立てやすくなります。

早めに相談することが大きな意味を持つ
司法書士が受任し、受任通知が業者に届くと、督促の連絡はいったん止まり、返済も一定期間待ってもらえることが少なくありません。
その間に家賃滞納をどこまで立て直せるかによって、今後とり得る選択肢が変わってきます。

「来月の家賃が払えるか分からない」「このまま続けるのは難しそうだ」と感じている段階で、一度立ち止まって状況を整理することが大切です。

強制退去の訴訟や具体的な通知が届いてからでは、対応できる余地が限られてしまうこともありますが、
そこまで進む前であれば、まだ選べる方法が残っていることが多いのも事実です。

ひとりで抱え込まず、「今の家賃を守りながらどう立て直していくか」という視点で、専門家に相談してみることを検討してみてください。

家賃滞納・借金問題の無料相談|司法書士法人エベレスト

家賃と借金の両方に追われていると、「どこから手をつければいいのか」「誰に相談すればいいのか」が分からなくなってしまうことがあります。
ひとりで悩み続けていても、時間だけが過ぎてしまい、状況がかえって悪化してしまうことも少なくありません。

もし、家賃滞納や借金問題に直面しているなら、司法書士法人エベレストの「借金トラブルサポートルーム」がお力になれます。
今の家賃をできるだけ守りながら、どのように返済を見直していくかを、一緒に整理していくイメージです。

ひとりで抱え込まず、お気軽にLINEでご相談ください。
現在の状況をうかがったうえで、あなたの事情に合わせた解決策を一緒に考え、生活再建に向けたサポートを行います。


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