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奨学金返済が困難になる主な原因
大学や専門学校への学費が高騰する中、多くの学生が日本学生支援機構(JASSO)の奨学金に頼っています。奨学金は一般のカードローンや消費者金融よりも利息が低いものの、卒業後の収入が想定よりも少なかったり、やむを得ない事情で仕事を失ったりすると返済が負担になってしまいます。また、奨学金以外にもクレジットカードや教育ローンなど複数の借入があると家計を圧迫しやすくなります。
奨学金返済が困難になる主な原因には以下のようなものが考えられます。
- 収入の減少や就職難:卒業後に期待していた収入を得られない、転職や離職により収入が一時的に減る。
- 健康上の問題:病気や事故で働けなくなると収入が途絶え、返済が困難になる。
- 家族状況の変化:結婚や出産、親の介護などで支出が増える。
- 複数の借入:奨学金のほかにカードローンやキャッシングがある場合、毎月の支払いが重くなる。
返済が厳しいときの初期対応
- 支払督促や通知を無視しない
延滞が続くと遅延損害金が加算され、督促が激しくなります。通知が届いたらまず内容を確認し、返済計画を立て直しましょう。 - 家計の見直しと家族への相談
月の支出を洗い出し、不要な支出を削減します。保証人がいる場合は事情を共有し、返済方法について相談しましょう。 - 日本学生支援機構や貸与先への連絡
返済が厳しいことがわかったら延滞する前に機構へ相談します。返済方法の変更や救済制度の案内を受けられます。
日本学生支援機構の救済制度を活用する
減額返還制度
災害や傷病、経済的事情により当初の返済額での返済が難しいときは、月々の返済額を2/3・1/2・1/3などに減らして返済できる制度です。減額返還適用期間に応じて返済期間が延長され、最長15年(180か月)まで延長できます。申請には収入証明や返済困難の理由を示す書類が必要です。
返還期限猶予制度
失業や病気などで収入が途絶え、返済自体ができない場合は、一定期間返済を先送りできる制度です。災害・傷病・経済困難・失業などの事情があるときに申請でき、適用期間中は返済する必要がありません。ただし元本や利息が免除されるわけではなく、猶予期間終了後に返済を再開し、返済終了時期が延びます。猶予期間の上限は通算10年(120か月)であり、延滞する前に早めに手続きすることが重要です。
債務整理で抜本的に解決する方法
任意整理
貸金業者などと直接交渉し、将来利息をカットして返済計画を見直す方法です。奨学金の利率は低いため元本が減りにくく、任意整理での効果は限定的です。ただし、クレジットカードやカードローンなど他の借入を任意整理することで返済総額を減らし、その分奨学金の返済負担を軽くできる場合があります。
個人再生
裁判所に申し立てて、借金を原則5分の1〜10分の1に減額し、3〜5年の分割で返済していく手続きです。奨学金も対象に含めることができ、借金総額が大きいほど減額率も高くなります。住宅ローン特則を利用すれば自宅を残せるメリットがあります。一方、保証人に返済義務が移る可能性や手続きの複雑さ、官報への掲載などのデメリットも知っておく必要があります。
自己破産
裁判所から免責決定を受けることで、奨学金を含むほぼすべての借金を帳消しにできる手続きです。返済義務がなくなる代わりに、保証人が一括返済を求められる可能性があり、一定額以上の資産は処分対象となります。職業や資格制限があるなどデメリットも多いため、事前に十分な検討が必要です。
保証人への影響に注意
多くの奨学金には親や親族などの保証人が付いています。そのため、本人が返済できなくなった場合、
返済義務は保証人に移り、督促や一括請求が保証人に直接届くことになります。
特に、保証人が高齢の親であれば、年金や生活資金から突然大きな返済を迫られるリスクがあり、家族全体の生活に深刻な影響を及ぼしかねません。
また、個人再生や自己破産といった法的な債務整理手続きを利用すると、本人の借金は減額または免除される一方で、
保証人は「保証人としての責任」を免れず、残りの全額を代わりに返済しなければならないケースがあります。
この点を理解せずに手続きを進めると、結果的に家族に大きな経済的負担を背負わせてしまう可能性があります。
したがって、奨学金の返済が困難になった場合は、
必ず保証人と状況を共有し、将来の対応について事前に話し合っておくことが重要です。
家族の理解と協力を得ながら、司法書士や弁護士と相談し、保証人を含めた最適な解決策を一緒に検討しましょう。
専門家に相談するメリット
奨学金の返済に行き詰まったとき、多くの方は「どうにか自分で解決しなければ」と考えがちです。ですが、債務問題は法律や制度が複雑に絡んでおり、自己判断で対応するとかえって状況を悪化させてしまうこともあります。こうしたときに頼りになるのが司法書士や弁護士といった専門家です。
司法書士や弁護士は、収入・支出・債務額を総合的に分析し、減額返還制度や債務整理の中から最適な方法をアドバイスしてくれます。
単に「返せる・返せない」の判断ではなく、返済計画をどう立て直すか、保証人や家族に迷惑をかけないためにどの制度を使うべきかなど、依頼者の状況に即した具体的な提案が可能です。
また、必要書類の作成や裁判所への申立てもサポートしてくれるため、自分だけで悩むよりも早く解決の道筋が見えてきます。
特に個人再生や自己破産のような手続きは、申立書類が煩雑で専門知識が不可欠です。専門家に依頼すれば、ミスによる却下や追加手続きを避けられ、スムーズに手続きが進みます。
さらに、専門家が介入することで、債権者からの督促や取り立ても即日ストップします。精神的な負担から解放され、安心して日常生活を送れるようになるのも大きなメリットです。
奨学金の返済に苦しんでいるときは、決して一人で抱え込まず、まずは専門家に相談することが解決への第一歩となります。
まとめ
奨学金の返済が苦しいときに最も避けなければならないのは「放置すること」です。返済を滞納すれば遅延損害金が膨らみ、保証人への請求や裁判、差押えに発展する恐れがあります。そうなる前に、まずは家計を丁寧に見直し、生活費のバランスを整えたうえで、日本学生支援機構(JASSO)の減額返還制度や返還期限猶予制度を検討することが重要です。
減額返還制度では、月々の返済額を2/3や1/2といった割合で減らし、最長15年まで返済期間を延長することが可能です。 返済額が軽くなることで日常生活に余裕が生まれ、返済を続けられる可能性が高まります。
一方で、返還期限猶予制度を利用すれば、返済を最大10年間先送りすることができますが、元本や利息が免除されるわけではありません。 猶予後には返済が再開されるため、長期的な計画を立てておく必要があります。
それでも返済の見通しが立たない場合は、法的な債務整理を視野に入れるべきです。個人再生や自己破産などの手続きを利用すれば、借金を大幅に減額、あるいは免除することができます。 ただし、任意整理は利息制限法の対象となる高金利の借入には効果的ですが、利率の低い奨学金にはあまり効果が期待できません。そのため、全体の借金状況を踏まえた冷静な判断が必要です。
また、忘れてはならないのが保証人への影響です。本人が返済できない場合、保証人に返済義務が移り、場合によっては一括での請求が及ぶこともあります。 家族に思わぬ負担をかけないためにも、早い段階で保証人と状況を共有し、必要であれば司法書士などの専門家に相談しましょう。専門家に相談することで、自分に最も適した解決方法を見つけやすくなり、将来への不安を軽減することができます。
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初回相談は無料ですので、返済に不安を感じたらお気軽にご相談ください。
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